S/MIME(Secure/Multipurpose Internet Mail Extensions)とは、インターネットで電子メールを送受信する際に、第三者による盗聴、なりすまし、メールの改ざんといった、主にフィッシング詐欺を防止する技術の一つです。
電子メールのセキュリティを向上する暗号化方式の一つであり、電子証明書を用いてメールの暗号化とメールへの電子署名を行うことができます。 MIMEとは、Multipurpose Internet Mail Extensionsの省略で、電子メールで添付ファイルを送るときに使われる技術のことです。 電子メールでファイルの受け渡しが行われる際、「そのファイルがどういう種類のファイルなのか」を表す情報も一緒に送られます(例えば、「text/plan」「text/html」「image/png」等)。 このように、画像や音声、コンピュータプログラムの実行ファイル、HTML文書、オフィスソフトの文書ファイルなど、テキスト以外のバイナリデータをテキストデータに変換して送っているのがMIMEです。 S/MIMEとは、このMIMEを拡張し、電子署名を利用した認証やメールの暗号化を行えるようにしたものを言い、信頼できる第三者機関である認証局が発行した電子証明書を使い、送信するメールの暗号化や、電子署名を付けたメールを送ることができます。 S/MIMEを使ってメールの送受信を行うには、送信者と受信者の両方がS/MIMEに対応するメールソフト使っている必要があります。 SMTP(Simple Mail Transfer Protocol)はメールを送信・転送するためのプロトコルのことで、メールを作った人が送信ボタンを押したり(メールサーバにメール送信のリクエストを出す)、メールサーバ間でメールを転送する時に使われます。また、SMTPに対応しているサーバ(メール送信用のサーバ)をSMTPサーバと言います。
このSMTPに則ってメール送信を行う際に必要なのがポート番号というもので、SMTPサーバにアクセスするために古くから割り当てられているのが25番ポートです。しかし、SMTPにも25番ポートにもユーザー認証機能がないため、誰でも認証なくメールを送ることができ、迷惑メールなどの被害が多く発生するという問題が起こりました。そこで、SMTPの仕組みにユーザーアカウントとパスワードによる認証機能を加えたSMTP-AUTHが作られ、ポート番号においても25番ポートとは別にSMTP-AUTHによる認証が必要な587番ポートが新しく登場しています。SMTP-AUTHをつけた587番ポートを使えば、メール送信者がプロバイダ以外のレンタルサーバを借りて、そのレンタルサーバを使用してメールを送信したいといった時でも、認証機能によって安心して送信することができるようになっています。 現在、一般的にはメールサーバ間の転送には25番ポートを、メールを作った人が送信ボタンを押す(メールサーバにメール送信のリクエストを出す)時には587番ポートが使われています。 IMAP(Internet Message Access Protocol)とPOP(Post Office Protocol)はともにメールを受信をするための方法のことで、IMAPはメールをサーバ上の領域で管理し、閲覧などの必要性がある時に端末側に表示するのに対し、POPはメールをクライアント側(ユーザ側)の端末にダウンロードし、クライアント側の端末でメールを管理します。
*サーバとはネットワーク上でサービスを提供するコンピュータのこと、クライアントとはそのサービスを受ける側のコンピュータのことです。普段、私たちがインターネットに接続して使っているパソコンはクライアントにあてはまります。 <IMAP> IMAPはメールをサーバ側で保存するため、学校の端末から、オフィスの端末から、家の端末から…という風に複数の端末からメールを閲覧するのに便利な方法です。端末に応じて最初にヘッダだけ受信し、必要なメールだけを閲覧するといったこともできます。また、サーバ上の領域にフォルダを作成してメールを既読、未読という風に分類して保管したり、サーバに保管されているメールをキーワードで検索したりすることもできます。ただし、すべてのクライアントのメールを保存するため、非常に大きな容量のサーバが必要になります。現在、プロトコルのバージョンが4なのでIMAP4とも表記されます。 <POP> POPはサーバからメールをクライアント側の端末に受信して、クライアント側の端末にメールが保管されるので、サーバの保存領域からメールは削除されます。クライアント側の端末にメールが保管されるため、インターネットに接続しなくても端末上でメールの確認や削除をすることが可能です。もしPOP方式を使って複数の端末でメールを共有したい場合は、メールクライアント側のPOP設定を「メールをサーバに残す」にすると、端末にメールを受信してもサーバ側に残すことができるので、この設定をすべての端末で行えば、全ての端末でメールを共有することができます。ただし、それぞれの端末に受信されたメールはコピー扱いになるため、一つの端末でメールを削除したりメールを読んだりしても、他の端末にはメールの削除も既読も反映されないので、メールを一元管理したい場合はIMAP方式の方が向いているでしょう。現在、プロトコルのバージョンが3なのでPOP3とも表記されます。 |